single.php
TOKYO「色」眼鏡 Vol.1

都会のおもしろ水辺スポット

キーワード
シェア
都会のおもしろ水辺スポット

ふだんの通学・通勤路じゃあんまり気にしてないけど、ちょっと見方を変えて眺めてみると、東京の街って、オモシロイ。
いろんなマニアにお話をうかがって、いろんな角度からいつもの街を眺める連載『Tokyo「色」眼鏡』がはじまります。
シリーズ1は「水の都」と言われた東京を、「川から見る」。「小さな舟」に乗って、いつもと違う視点を楽しんでみました。
(text : Miha Tamura / photo : Kayoko Aoki※トップ画像)

私が「川」に興味を持ったきっかけは、ある雑誌で見かけたカメラマン石塚元太良さんの写真。カヌーで日本橋の下をくぐったり、御茶ノ水の大きな聖橋を下から見上げたり。ふだん見知っているはずの風景がまるで違って見えたのと同時に、「あの川って、カヌーで漕いだりできるんだ!」 そこにまず驚きがあった。
「よし、私もちょっと今から川行ってくる」って思い立ったはいいものの、カヌーを漕ぐのはまず無理だし、だとしたら屋形船を貸し切るとか、クルーザーを買ってパーティーとか……? なんだかどれもハードルが高そう。
しかし最近、東京の水辺でも「ちょっと川行ってくる」のにぴったりの舟が登場した。

見つけた!
ちょうどいいサイズの舟

日本橋舟着場で待っていたのは、小さなかわいい舟

日本橋船着場で待っていたのは、小さなかわいい舟

ネットで検索していて見つけたその舟、「みづは」は、小さなクルーズ船。日本橋や勝どきの船着場から土日をメインに乗り合いクルーズの運航をしている。乗り合いの料金は、90分でひとり3,900円。ひとりからでも乗せてくれるだなんて、基本的に引きこもり系の私にとって好都合この上ない。
よし、その舟、乗ります!

kanda

「みづは」オーナーさんのお父様作というかわいいクルーズマップをいただく。水辺なので、濡れても大丈夫なようにクリアファイル仕立てなのが嬉しい工夫。今回は、隅田川、神田川、日本橋川を通って都心をぐるっと一周するコースです。

いきなり発表! 
都会のおもしろ水辺スポットベスト5

都会の川って正直、そんなに綺麗じゃないし、観光地の遊覧船みたいな風光明媚な風景が見られるわけでもない。
しかし90分のクルーズの最中、私は興奮しっぱなしだった。
そこで発見したおもしろスポットを、ランキング形式でご紹介したい。

第5位 浅草橋の船溜まりと佃煮屋さん

DSC01373

都営浅草線の「浅草橋」付近から、神田川が始まる。このあたりは船宿が多く、夜の宴会を待つたくさんの船がここに集まっている。
夜になれば灯りを灯し、お台場や浅草方面でどんちゃんさわぎの始まる屋形船だが、昼は無論、まったく静かなもの。
たくさんの船がひっそり出番を待つ姿は、楽屋裏っぽい感じが楽しい。

DSC01380

いろんな提灯の灯った、いろんな船がある。合間を縫いながらひとつひとつの船を観察するのも楽しい。

DSC01369

船宿から暖簾分けして川沿いで営業する、佃煮の小松屋さん。船が通ると手を振ってくれる

第4位 万世橋と mAAch ecute

DSC01415

肉の万世でおなじみの、秋葉原の「万世橋」。かつてここには、国鉄「万世橋駅」があって、その旧万世橋駅遺構を整備してオープンしたのが「mAAch ecute(マーチエキュート) 神田万世橋」。電車が通るのを間近で眺められて、一部には遺構も残っていて、さらに水辺も楽しめる、マニア垂涎のスポットなのだけど、中に入っているショップやカフェはきわめておしゃれ。素敵な煉瓦造りのアーチを楽しみたいなら、川からが俄然おすすめ。

DSC01409

陸上からだと「肉の万世」にばかり目がいきがちだが、これがその大元(?)の万世橋だ

DSC01418

mAAch ecuteの外は水辺テラスも整備された。 まったりしてるひとたちがいい感じ。

第3位 御茶ノ水 川を横切る地下鉄丸ノ内線

一瞬だけ、トンネルを抜けて地上へと出る丸ノ内線!

地下鉄丸ノ内線は、御茶ノ水駅と淡路町駅との間で一瞬地上に出るのだが、それがここ、神田川の真上なのだ。船で行くと、その線路の下をくぐることができる。地下鉄を下から見上げるって体験、なかなかできるものではない。

ごごごごご・・

ごごごごご・・

DSC01442

真下から見れば大迫力!

第2位 水道橋 都会の大渓谷と秘密のトンネル

DSC01452

神田川は、武蔵野台地の東端をかなり深く掘り進んだ人工の運河で、そのため御茶ノ水駅前の「御茶ノ水橋」が架かっているあたりなどは、かなり頭上高くに橋を見上げることになる。
さらにその先に進むと、「こんな場所だったっけ?」と思うほど緑の生い茂った水辺が登場。さながら都会のなかの大峡谷といった趣だ。
「水道橋」の付近には、大雨のときに水の流量を確保する「分水路」の入り口が。ツタの垂れ下がったトンネルは、秘密の入り口を見つけてしまったようなドキドキ感がある。

DSC01428

堀の深い神田川。中央・総武線の橋もダイナミックに架かっている

DSC01449

「御茶ノ水橋」は頭上はるか高く見上げる感じ

DSC01479

水道橋付近の「秘密のトンネル」の入り口。

DSC01422

種明かしをしてしまうと、このトンネルの出口は御茶ノ水側にある

第1位 日本橋 江戸城外堀と高速道路の裏側

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

「日本橋川」は、日本橋から竹橋、九段下のあたりを通って水道橋へと抜ける水路なんだけど、真上のほとんどを首都高環状線がふさいでいるためにそこに川があることを認識している人は少ないかもしれない。歴史上「なかったこと」にされてきた川だ。最近になって、あらためて日本橋にも船着場ができて船の往来が多くなったが、かつては水運の要だったこの水路、江戸城外堀だったときの名残も感じられておもしろい。
なかでも興奮してしまうのは、首都圏の交通を支えるために四苦八苦しながら川の上をゆく高速道路の「裏側」を、船からならじっくり堪能できることだ。興奮のために写真点数多めである。

DSC01505

水道橋から飯田橋方向へ。このあたりは、規則正しく橋脚が並んでいるのだが

DSC01515

大きくカーブしたり

DSC01526

三つ又にわかれてみたり

DSC01510

いろんな方法でがんばって支えている姿がいじらしい。

DSC01529

とはいえ古い構造物もたくさん残っているエリア。橋のひとつには、関東大震災時の「復興局建造」などのプレートも。

DSC01530

江戸城外堀の石垣も残っている。歴史が多層に積み重なった、おもしろいゾーンなのだ。

協力:舟遊びみづは
土日祝日を中心に乗合クルーズ運航。
定番の「東京ランドマーク舟遊び」60分、「神田川舟遊び」80分、「夕暮れ夜景舟遊び」60分(5~10月)に加え、日本橋の老舗とのコラボや飲食イベント、花見・夕涼み・月見など季節ごとの多彩な特別便も開催。いずれも1名から参加可。貸切は常時対応。(要予約)
アクセス:日本橋船着場・勝どき朝潮船着場・吾妻橋船着場(便によって異なるが、主に日本橋発着)
予約URL:http://www.funaasobi-mizuha.jp/

田村美葉

田村美葉

1984年生まれ、石川県金沢市出身。上京してからというもの偏愛道に目覚め、エスカレーターの写真を撮りためたり、高架橋脚の下を歩いてまわったり、小さな舟に乗って川をうろうろしたりしています。
東京エスカレーター高架橋脚ファンクラブ

キーワード
シェア
都会のおもしろ水辺スポット
この記事を気に入ったら
いいね!しよう
twitterで購読

関連記事

TOKYO「色」眼鏡 Vol.2

とっておきの舟「みづは」

ふだんの通学・通勤路じゃあんまり気にしてないけど、ちょっと見方を変えて眺めてみると、東京の街って、オモシロイ。 いろんなマニアにお話をうかがって、いろんな角度からいつもの街を眺める連載『Tokyo「色」眼鏡』がはじまります。 シリーズ1は「水の都」と言われた東京を、「川から見る」。「小さな舟」に乗って、いつもと違う視点を楽しんでみました。 (text : Miha Tamura / phot…

くるみの「好きなものだけ」Vol.1

名古屋のお気に入りのカフェ

インスタで大人気のフリーモデルくるみさん。最近では雑誌「ViVi」の専属読者モデルViVigirlに選ばれ、彼女のファッションやメイクはますます目が離せません!そんな彼女がグッドルームジャーナルに初連載。くるみさんがにっこりしちゃう「すきなものだけ」を少しずつ紹介してくれます。…

#賃貸でもカスタマイズ

リノベルームのテクニックをおすそわけ。『DIY STORE 三鷹』

賃貸でも、自分らしいインテリアを実現したい! 最近各地に登場するDIYショップで、暮らしのヒントをもらいましょう。 今回訪れたのは、三鷹市の住宅街にある『DIY STORE 三鷹』。リノベーション工事を担う「空間工房」白石さんのアイディアがたくさん詰まっています。 …

街で人気のボタニカルショップ Vol.1

南仏を感じるアンティークとグリーンの素敵なバランス 『BROCANTE(東京・自由が丘)』

植物をうまく暮らしに取り入れ、楽しむヒントを探しに、街で人気のボタニカルショップをたずねます。 今回おじゃましたのは、フランスアンティーク家具の販売と、ガーデンプランニングを行うBROCANTE(ブロカント)。南仏と植物を愛するオーナーさんの素敵なバランス感覚が感じられるお店です。…

街で人気のボタニカルショップ Vol.3

植物好きに人気の専門店『鶴仙園(池袋西武店)』で聞く、 サボテン&多肉植物との上手な付き合い方

植物をうまく暮らしに取り入れ、楽しむヒントを探しに、街で人気のボタニカルショップをたずねます。 今回おじゃましたのは、駒込に本店のあるサボテンと多肉植物専門店の鶴仙園。西武池袋本店屋上の店舗は、アクセスと品揃えの良さから、植物好きが誰しもお気に入りショップにあげるほど。店長の靍岡さんにサボテン&多肉植物の魅力をお聞きしました。 …