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植物と動物たちが活き活きと暮らす、遊園地のような部屋

TOMOS people Vol.2

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植物と動物たちが活き活きと暮らす、遊園地のような部屋

無垢フローリングのリノベーションブランド「TOMOS」のお部屋は、住む人それぞれの暮らしを楽しむ余地を残した、シンプルなハコ。その「ハコ」の中で、みんな、どんな暮らしをしているのでしょう?
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、お部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。
第2回は、インテリア投稿アプリ"RoomClip"でも大人気ユーザーのAtsushiさんご夫妻のお部屋に再訪問。さらに進化をとげているお部屋にうっとりしました。

text & photo : Ken OHYAMA

部屋は住み手のフィールド

今回の取材は楽だった。だってどこを撮っても絵になっちゃうんだもの。目をつぶって適当にシャッター切ったってだいじょうぶ。ちゃんと開けてましたけど。

この日うかがったのはAtsushiさんご夫妻のご自宅。まずびっくりしたのは外観と室内のギャップだ。事前に編集部田村さんから「すごくすてきな部屋なんです!」ときいていたので、どんなにすごい建築なんだろうと思いながらお宅にうかがったところ、外見はすごくふつうだった。って言うとちょっと悪口みたいに聞こえるかもしれないがそうじゃない。この「建築はふつうで部屋がちょうすてき」っていうのこそ真のセンスだと思うのだ。

だいたい豪邸で部屋もすてき、っていうのって当たり前じゃないですか(その割にはテレビや雑誌で見る金持ちの部屋ってたいてい悪趣味だけど)。そうじゃなくて「うちと大して変わらないはずなのに…なのに…!」っていうのこそすばらしいと思うわけです。まあ、だから自分の不甲斐なさを見せつけられるようでつらくもあるんですけど。建築はプロの領分だけど、部屋は住み手のフィールドなのだ。

さて、上の「平面図写真」でご覧頂いている部屋は、Atsushiさんちの一番奥の一部屋。この手前に同じぐらいの大きさのダイニングキッチンがあって、ふたつはリフォームによって壁が取り払われひとつの空間としてつながっている。とても広々。そしてご覧の通り、部屋のいたるところにグリーンがある。

窓際にリンゴ箱を利用した台があって、その上にならべられた緑たち

窓際にリンゴ箱を利用した台があって、その上にならべられた緑たち

かわいいよね、サボテン。

かわいいよね、サボテン。

ダイニングキッチンに置いてある大きなテーブルの中央にも様々な色合いのグリーンが。すてきだなあ。

ダイニングキッチンに置いてある大きなテーブルの中央にも様々な色合いのグリーンが。すてきだなあ。

窓際のちょっとしたところにもかわいらしいサボテンたち。

窓際のちょっとしたところにもかわいらしいサボテンたち。

その窓もまたすてき。通常のサッシに木を貼ってる。これいいなあ。

その窓もまたすてき。通常のサッシに木を貼ってる。これいいなあ。

サボテンという「同居人」

部屋のいたるところにいる緑の多くは、いわゆるサボテンたちだ。サボテンって愛らしいよねえ。今回あらためてこのかわいらしさはどこから来ているんだろうと考えた結果、そのフォルムがキャラクターっぽいからなんじゃないかと思い至った。どうでしょうか。ほら、まるっとしててぬいぐるみっぽいじゃないですか。たとえば同じ観葉植物でもパキラに目鼻口を付けてキャラ化するのは難しいが、サボテンはすぐできる。実際そういうのメキシコ料理屋の店頭看板にいる。サボテン人気の理由のひとつはこの点にあるのではないか。現にAtsushiさんご夫妻はサボテンたちを「この人」って呼んでた。

「この人」たちの説明をしてくれたAtsushiさん。男前だ!部屋も素敵で美男子ってずるい。どっちかぼくによこせ。

「この人」たちの説明をしてくれたAtsushiさん。男前だ!部屋も素敵で美男子ってずるい。どっちかぼくによこせ。

―あ、でもここにはちゃんとした分類でいう「サボテン」じゃないものもありますよね?まったく詳しくないからよく分からないですけど。
「そうですね。でも通称サボテンでいいんじゃないですか」

調べたところによるとちゃんとサボテンと呼べるのはサボテン科の植物だけで、アロエ科やハマミズナ科などの多肉植物はサボテンではない。一見、部屋の様子からは「サボテンマニア」か?と思われるAtsushiさんだが、このようにとても鷹揚。そこがまたすてき。部屋も素敵で男前でナイスガイ、ってどういうことだ。サボテンのトゲに刺されてしまえ!

―世話たいへんじゃないですか?こんなにたくさんあると
「いやー、サボテンは楽ですよ」
―でもぼく子どもの頃枯らしたことありますよ(「あー、わたしも枯らしたー」と編集田村さん)
「えっ。でも確かにちょっとコツはいるかもしれません」
―毎日世話が必要なので旅行行けない、とかないですか
「だいじょうぶですよ、行けます行けます」

これまでのぼくの経験上、何かに熱中している人が「たいへんじゃないですか?」という質問に対して「そうなんですよたいへんなんですよ」と答えることはめったにない。中にはそういう人もいえるけど、そういう方々もその苦労自体を楽しんでいるものだ。と思っていたが、にこやかに答えるAtsushiさんの語り口をきいていると、ほんとうにたいへんじゃないんじゃないか、と思える。この軽やかさがこの部屋の魅力の秘密だと思った。

なにが言いたいのかというと、Atsushiさんちがすてきなのは彼らを「同居人」としているからではないかということだ。これは、かわいらしいサボテンがインテリアとして効果的ということではなく、彼らの居心地の良い環境を整えるとおのずと部屋が快適になる、という意味だ。たとえば、日当たりの良い部屋が必要だし、風通しも温度・湿度にも気を使うようになるだろう。

加えて、Atsushiさんの軽やかなスタンスが鍵だと思った。マニアの部屋は決してすてきじゃない。ぼくの部屋のようにほこりをかぶった資料が積まれたりして部屋なんだか倉庫なんだかわからないような。その点、ご夫妻は「サボテンマニア」ではなく、サボテンたちは「同居人」だ。だからすてきなのだ。

とはいえ、もちろんサボテンに関する造詣は深く、興味深い資料があったりする。この60年代~70年代の雑誌などはすごく魅力的だった。正直、ぼくはこれに一番興奮しちゃった。これに大興奮って、ぼくの部屋が倉庫になっちゃうのはこれはもうしょうがないな、と自分で思った。

とはいえ、もちろんサボテンに関する造詣は深く、興味深い資料があったりする。この60年代~70年代の雑誌などはすごく魅力的だった。正直、ぼくはこれに一番興奮しちゃった。これに大興奮って、ぼくの部屋が倉庫になっちゃうのはこれはもうしょうがないな、と自分で思った。

ほかの「同居人」たちを並べてみよう

さて、この連載でぼくは毎回あるルールで撮った写真を載せていこうと思っている。ひとつは冒頭の写真のように、平面図みたいに部屋を撮るっていうもの。そしてもうひとつは「その部屋に住んでいる人を特徴付けるモノを並べて撮る」だ。今回はやはりサボテンたちかなあ。

―これを一箇所に並べてもらうのって、手間ですよねえ。どうしよう…
「べつにだいじょうぶですよ」
―どうしよう?(と編集田村さんとごにょごにょ)
「じゃあ、これはどうでしょうか?」

と奥さまが持ってきたのがぬいぐるみ。冒頭の平面図写真の右下を見てみてください。いますよね。これはいいな、撮ってみよう

ということで今回はぬいぐるみたちを並べてみました。

ということで今回はぬいぐるみたちを並べてみました。

ちなみにこうやってリンゴ箱(このリンゴ箱の再利用もすてきだった!)にひとつずつ載せて撮ったんですが

「これも」といって生きてる子が登場!ぬいぐるみっぽいけれども!

これも「同居人」のモルモットたち。かわいいぞ。

ほかにもこのような同居人もいました。

奥さまの肩に。

旦那さまの肩に。

ぼくの肩に!

ぼくもこういう同居人たちがいれば部屋が素敵になるのかなー。サボテンかわいいしなー、そんな手間じゃないのなら買ってみようかなー。いいなー。

こちらも恒例の「床に寝てもらってポートレイト」。ほんとうに素敵な部屋とご夫婦でした。また行きたい。

こちらも恒例の「床に寝てもらってポートレイト」。ほんとうに素敵な部屋とご夫婦でした。また行きたい。

※Atsushiさん夫妻のお部屋の写真は、インテリア投稿アプリ”RoomClip”にたくさん投稿してらっしゃいます。こちらもチェック!
Atsushiさんアカウントはこちら

大山 顕

写真と文:大山 顕

フォトグラファー/ライター。1972年11月3日生まれ。工場や団地などの構造物を中心に撮影と執筆を行っている。出版、ラジオ出演、イベント主催などで活躍。『工場萌え』『ジャンクション』『団地の見究』『ショッピングモールから考える』など著書多数。 twitter:@sohsaiinstagram:@ken_ohyama

(最後にもう一度編集部から)
グッドルームのオリジナルリノベーション「TOMOS」のお部屋は、東京・大阪・名古屋・福岡で、毎月10~20部屋登場します。社員も気に入って住んでいる者が多い、無垢フローリングの居心地のよい空間を体験してみてくださいね。

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