アルティスタ-/東京都杉並区/高井戸/1K - デザイナーズ・リノベーション賃貸のグッドルーム

お部屋の紹介

これはまた…奇怪なデザイナーズです。私個人の感覚ですが、常人には馴染めないのではないかと思うほど、家らしくない箱なのです。

まず入口が異様。取手もないまるで同じ鉄のドアが5つ横に均等に、しかもとても近い間隔でAからEまで並んでおり、郵便ポストが隠された扉もまるで同様に少し離れて並んでいます。本当にここが入口なのかと首を傾げながら恐る恐る開けてみますと、ぽっかり空いた長方形の通路が奥の空間に繋がっていました。ここが真っ直ぐなら、他の部屋の通路は一体どの様に伸びているのか？と不思議に思いながら中に入ります。

その空間は更に異様でした。これが快晴の日だったらまた違う感動を得られたのもしれないのですが、残念なことにこの日は小雨。(すみません)とにかく何が凄いかって、何もなさ過ぎて凄いんです！あるのは白い壁と床と高い天井と四角いドでかい額縁のような窓だけ。そして白紙を切り抜いたようなドアが右手に意味あり気に開かれており、ちょこんと木製の足台が置かれています。音もなく、曲線もない空間。『人工』そのものなのに、人間らしい気配までまるで無い空間。(あったら怖いですが)

更に今回照明がつかなかったので、光の灯った温かみのあるじょうｔをお伝え出来ないのが大変悔やまれます。天井の隅にはスポットライトとライティングレールが設置されているので、この照明が唯一ここに曲線を描く存在なのかも知れません。

さて、気になるドアの先はバスルームとキッチン、トイレに繋がっていました。ここで初めて家らしさを感じましたが、どれもデザインが奇抜。バスルームはガラス張りで楕円形の浴槽が異様な存在感を放っています。キッチンは水色がかったフラットな天板に円形の2口IHコンロとシンク、その下に洗濯乾燥機が付いています。またそれぞれの壁に光を得るための小窓が設けられ、向かいにはなにやら木製の梯子が。ここから？と思いながら気を付けて上に上ると、箱の上の世界に出ました。が、問題が。一部吹き抜けなのはいいのですが、広い向こう岸にどうやって飛び移ればいいのか分かりません。いくら天井が高くても、ジャンプしたらマリオのように頭をぶってゲームオーバーになりそう。うーん。 (諦めましたが、運動神経が良ければ行けそう)

そうして、さて帰ろうと思った時、玄関通路の切れ込みに気が付きました。これはもしや…と、指の先を引っ掛けたりちょっと持ち上げたり横にずらしたりするのですが空きません。なんで!?ともたれ掛かったらやっとカチッと音がして、僅かに飛び出した板を引くと、やはり収納が。ビクビクし過ぎてすっかり忘れていた収納に最後に出会えてホッとしながら、でもちょっと小走りで物件を後にしました。

なんだか随分長くなりましたが、このぐらい奇妙奇天烈なお部屋。アーティストや妄想好きな方、もしくは緑を沢山あしらって生き生きした空間を作り上げる自信のある方には向いているかも知れませんね。興味本位でもちょっと覗いて頂きたい、オモシロ物件です。