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色とりどりの「思い出」と暮らす。カラフル&キュートなひとり暮らしの部屋

TOMOS people Vol.22

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色とりどりの「思い出」と暮らす。カラフル&キュートなひとり暮らしの部屋

写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。
今回は、就職で上京してきたばかりというおひとり暮らしのお部屋を訪問。今までに行った場所、出会ったひととの思い出がたくさん詰まった、とっても可愛らしいワンルームです。

text & photo : Ken OHYAMA

場所を取らない思い出

先日、調子の悪くなった外付けハードディスクドライブを処分した。ふと中身を見たくなり分解してプラッタと呼ばれる記録ディスクを取りだしてみたら、それは鏡としか思えないピカピカの代物だった。直径わずか9センチ弱のドーナツ型をしたこれに数百ギガバイトのデータが記録されているわけだ。たくさん情報を詰め込んだからといってディスクは重くなったり膨らんだりはしない。当たり前なんだけど、不思議だなあと思った。

いきなり何の話かというと、今回おじゃました築地さんの部屋を見て、このプラッタを思い出したのだ。べつに部屋がピカピカに光り輝いているというわけではない。部屋のいたるところに思い出の品が飾られているさまを見て連想したのだ。この部屋はまるで記憶装置だな、と。

カラフルでキュートな部屋。部屋にいるときに寛ぐ場所に座ってみてください、とお願いしたらベッドの上で「せんとくん」クッションを膝の上に!

カラフルでキュートな部屋。部屋にいるときに寛ぐ場所に座ってみてください、とお願いしたらベッドの上で「せんとくん」クッションを膝の上に!

とはいえ物にあふれているわけではない。物の量でいえばむしろかなりすっきりした部屋だ。すごく物が少ない。一人暮らしで広さは5畳。ちょっと小さめだが、場所を考えればそれでもじゅうぶん。中央線の駅からほど近くとても便利な場所なのだ。

千葉育ち現川崎区在住のぼくは、カルチャーの薫り高き中央線沿線に対してやっかみで「けっ」と思ったりするわけだが、こうして実際街を訪れお話を聞いてみると、やっぱり良い街だよなあと思ってしまうのである。くやしい。

部屋上空に渡された電球もいい。

部屋上空に渡された電球もいい。

大学を卒業して2月下旬にここに引っ越してきたという築地さん。この部屋で3回目の引越。東京ははじめてだという。勤め先は新宿で「乗り換えなしで職場に行けるところにしたかった」というとのことなので、理想の場所だろう。

TOMOSのリノベ物件は無垢の木の床を特徴としたナチュラルなテイストが特徴だ。これまで見てきた方々の部屋は、そういう雰囲気に合った部屋づくりをされていた。つまりシンプル。ところが今回の部屋はとてもにぎやかだ。以前のティールさんご夫妻の部屋もカラフルだったが、あれをしのぐ色鮮やかさだ。

それにはまずラグが一役買っているが、他にも要所要所にビビッドな品々が。

賑やかな雰囲気だけど決してごちゃごちゃではないのすごいな、と思った。

賑やかな雰囲気だけど決してごちゃごちゃではないのすごいな、と思った。

「とくに考えて飾っているわけではないんですけど……」という築地さん。でもすてき。

「とくに考えて飾っているわけではないんですけど……」という築地さん。でもすてき。

玄関のこれらはメキシコ土産だそう。「ジョージア州に留学していたことがあって、そのとき南米に行きました」。バスルームのドアの模様も、自分で貼ったもの。かわいい。

玄関のこれらはメキシコ土産だそう。「ジョージア州に留学していたことがあって、そのとき南米に行きました」。バスルームのドアの模様も、自分で貼ったもの。かわいい。

学生時代の専攻分野の関係もあって海外によく行っていたという築地さん。にぎやかなものたちはその折々に手に入れた物だそうだ。

ぼくがいいな、と思ったのはこれらが大げさな品物ではなく、ほんとうにちょっとした、でも印象的な色と形をした物をお土産としている点だ。就職して東京にやってきてはじまった新たな日々に、旅の記憶は重要なのだと思う。それらを思い出すための、効果的な最小限のアイコンがこれらキュートなものたちなのだ。たぶん。

部屋のつくりですごくいいなと思ったのは、壁にぐるりとつけられたこのちょっとした棚。そしてここにもカラフルなものたちが。ぼくだったら充電器とかケーブル乗せちゃうだろうなと思った。

部屋のつくりですごくいいなと思ったのは、壁にぐるりとつけられたこのちょっとした棚。そしてここにもカラフルなものたちが。ぼくだったら充電器とかケーブル乗せちゃうだろうなと思った。

キッチンと部屋の間の天井付近にも棚があって、そこにめずらしく「場所をとる」ものがいらっしゃった。

キッチンと部屋の間の天井付近にも棚があって、そこにめずらしく「場所をとる」ものがいらっしゃった。

金魚鉢のとなりにもベティちゃん。

金魚鉢のとなりにもベティちゃん。

数少ないちょっと大きめのものは2つ。壁にかけられている真っ赤な華のオブジェは、学生時代にバイトしていたお店からもらった物。とても気に入っていて「やめるときにはあれをください! って言っていたら、ほんとうにくれました」という。そしてベティちゃんは中学のときの剣道の先生がプレゼントしてくれたの。「ベティちゃんが好きだとみんな知っていたので」。どちらもいい話だ。

築地さんの話を聞いていると、つくづくこれらは「飾り」じゃなくて記念なのだとわかる。見せるためにハードディスクの中身を飾る人はいない。同じように、これは良い感じに見えるように計算されたインテリアではない。それでもすてきに見えるのは、思い出がすてきだからなのだろう。

その点、ぼくがいちばん感銘を受けたのはベッドの横に貼られたものたち。

この壁の写真やポストカードたち。

この壁の写真やポストカードたち。

よくこういう「インテリア術」あるけど、それぞれのお話を聞かせてもらったら、どれもちゃんと純粋に思い出の写真やポストカードだった。仲の良い友達と一緒に旅行に行った際の写真などなど。(上の写真見て、いま思ったけど、そもそも「計算されたインテリア」にせんとくは置かないよな)

ハードディスクが情報を格納したからといって体積が増えないように、玄関にオーナメントを掛けたり、冷蔵庫にマグネットを貼ったり、壁に写真を貼ったからといって部屋は狭くならない。ものを持たないミニマルな部屋がもてはやされがちだけど、かさばらない「にぎやかさ」もあるんだな、と感心した次第だ。しかもそれを自然体で実現している。すばらしい。

恒例の「物を並べてもらって撮る」は、ポストカードになりました。

恒例の「物を並べてもらって撮る」は、ポストカードになりました。

毎回お願いしている「集めている物/集まっちゃった物」を並べてもらう、は上のようになりました。「集めているというわけではないんですが……」とおっしゃる築地さん。たしかに「コレクション感」はしない。特に珍しい物があるわけでもなく、テーマがある感じでもない。これらもやっぱり見せるものじゃなくて、彼女の「外部記憶」なのだ。それにしても「なんでこれとこれが一緒に?」っていうのがあっておもしろい。

こちらも恒例の「ねっころがってポートレイト」。ここでもせんとくん!

こちらも恒例の「ねっころがってポートレイト」。ここでもせんとくん!

きっとこれからの東京暮らしで、少しずつ「場所を取らない思い出」グッズが増えていくんだろうな、と思った。1年後ぐらいにまたおじゃましたい。

ちなみに冒頭のプラッタは、あまりにピカピカできれいだったのでとってある。こんなふうに物を貯めるからぼくはだめなんだよなあ。

大山 顕

写真と文:大山 顕

“ヤバ景” フォトグラファー / ライター。1972年11月3日生まれ。住宅都市整理公団総裁。出版、テレビ出演、イベント主催などを行う。「”ヤバ景”って何?」「”総裁”っておおげさじゃない?」など各種ご興味がわいた方は OHYAMA Ken.com にいってみてください。
Twitter (@sohsai)Facebook

(最後にもう一度編集部から)
グッドルームのオリジナルリノベーション「TOMOS」のお部屋は、東京・大阪・名古屋・福岡で、毎月10~20部屋登場します。社員も気に入って住んでいる者が多い、無垢フローリングの居心地のよい空間を体験してみてくださいね。

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