TOMOS この部屋に招かれて
1R(26㎡)
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。
今回は、38㎡ほどのワンルームにふたり暮らしをしている澤井さんご夫婦のお部屋を訪問。玄関を開けるとすっきりと整った広い空間が広がり、窓からの緑が目に飛び込んできました。
text & photo : Ken OHYAMA
玄関で最初に出迎えてくれたのはかわいいミニチュアシュナウザーのアンちゃん。「いつも先に家に帰ったほうが、散歩がてら連れて出てもうひとりを駅に迎えに行きます」という澤井さん夫婦。ワンルームにふたり暮らし、いや三人暮らしだ。
窓の外の緑と、差し込む陽光が印象的。「決め手は目の前が緑地公園だったことです」と奥さま。風通しもよくほんとうに気持ちのいい部屋だ。
もともと小さな部屋に分割されていた間取りをワンルームにするリノベは、すっかりふつうになった。もちろんこの部屋もそう。都市部近郊ではそんなに大きなお家は借りられないのだから、部屋数よりもひと部屋の面積が広い方がいい。
その結果、澤井さんのお家のように、リビングも寝室も同じ空間になるわけだが、いざやってみれば何の問題もない。というより、とても快適だ。過去をふり返って八〇年代あたりの間取りをみると、なんでこんなに個室や応接間や独立したダイニングなどがほしかったんだろう、と不思議に思うぐらいだ。
この連載では、夫婦でワンルームにお住まいのケースをいくつかご紹介している。今後ワンルームふたり暮らしはどんどん増えるのではないだろうか。実はぼくのうちもそうだ。
もちろんこのようなワンルームが可能になった背景にはリノベの工法や空調の発達などいろいろな要素がある。また、ここ十数年で急速にデザインも品質も高い家具やファブリックが安価に入手できるようになったことも大きい。住み手がそれらを使って空間をやんわりと仕切っていくことが、ふたり暮らしワンルームでは必要だ。
さて、澤井さん夫婦はその点どのような工夫をしているだろうか。
結論から言うと「すぐに変えられるレイアウト」だ。平面図写真を見ると分かるが、かなり不思議な家具の配置だ。自作の長細いテーブルにふたり横に並んで食事。その延長線上にベッドがあって、ソファはテーブルの前だ。こんなレイアウト見たことない。こういうの、ぼくだいすき。
「色々配置を試した結果、いまはこうなってます」とのこと。「家具をかなりぐるぐる移動させました」と笑う。結果として、部屋の半分、玄関から入って窓までのスペースが広く空いている。
ここに置かれているのがファルコンチェア。「美容室で見かけて、すごく気に入って買いました」とだんなさま。木のフレームに皮の座面がまるでハンモックのように吊られている魅力的な椅子だ。つまり、ソファと向かい合うような位置にこの椅子を置くだけで、空けたスペースが団欒とリラックスのためのものになり、あしもとをアンちゃんが駆けまわるというわけだ。
それにしてもテーブルに横に並ぶというのは目から鱗だった。これだけでずいぶんスペースが広く使える。最初はすこし違和感があったが(映画「家族ゲーム」のようだと思った)、そういえば海外に行くといくつかの国ではレストランやカフェでカップルは横に並んでたな、と思い出した。考えてみれば向かい合うより親密な感じがする。
とはいえ、いまごろはまた配置が変わっているかもしれない。収納キャビネットは動かせる仕様のもので、ラックも軽い感じ。すっきりとモノも少なく、いつでも模様替えができる状態を保っているのだな、と感心した。「仕切り方の正解」を求めるのではなく「いつでも仕切り方を変えられる」こと。ふたり暮らしワンルームのコツはこれだ、と気付かされました。
(最後にもう一度編集部から)
グッドルームのオリジナルリノベーション「TOMOS」のお部屋は、東京・大阪・名古屋・福岡・札幌で、毎月10~20部屋登場します。社員も気に入って住んでいる者が多い、無垢フローリングの居心地のよい空間を体験してみてくださいね。
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大山 顕
写真と文:大山 顕
“ヤバ景” フォトグラファー / ライター。1972年11月3日生まれ。住宅都市整理公団総裁。出版、テレビ出演、イベント主催などを行う。「”ヤバ景”って何?」「”総裁”っておおげさじゃない?」など各種ご興味がわいた方は OHYAMA Ken.com にいってみてください。
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