TOMOS お部屋とアップデート
1R(18.5㎡)
写真家・ライターの大山顕さんに、ちょっとおもしろい撮り方で、無垢床リノベーション「TOMOS」のお部屋と住んでいる人の「平面図」を撮ってもらうシリーズ。
今回は、2LDKにふたり暮らしをしているKさんとSさんのお部屋を訪問。2つある居室のひとつはゲストルームとし、訪れる人をあたたかくもてなしてくれる大きく明るいLDKのあるお部屋。とても落ち着く気持ちの良い空間でした。
text & photo : Ken OHYAMA
グリム童話に収録されている話に「ラプンツェル」というのがある。魔法使いにさらわれ高い塔の上に幽閉された少女。通りかかった王子様がその長い髪の毛をよじ登って逢瀬を重ねる、というストーリーだ。今回おじゃましたKさんとSさん二人暮らしの部屋に、そのラプンツェルがいた。
「植物が好きなんです」というKさん。「ここに引っ越してから、部屋が明るくなったのでいろいろなところに植物が置けてうれしい」とおっしゃるとおり、そこかしこにグリーンがある。これまで何回か書いているが、ぼくは植物を育てるのが苦手で、何度チャレンジしても枯らしてしまう。ちゃんと育てられる人すごいなあ、といつも思う。
上の平面図写真をご覧いただくと分かるように、広々としたリビングダイニングは2方向に窓。寝室も2面、家全体では3方向が窓という魅力的な間取り。確かに明るい。リノベ前の元の間取りでは、ダイニングとリビングの間に壁があったようだ。それをとりはらうことで明るく広々とした素敵な部屋になったというわけ。
部屋探しの条件はリノベ物件だったという。「新築のマンションって、画一的なイメージがあるじゃないですか。個性的な部屋が良いなと思って」とのこと。確かにリノベ物件の方がおもしろい間取りになることが多い。いわゆる「デザイナーズ」を謳ったユニークな家も存在するが、手頃な個性的物件を探すなら断然リノベだと思う。ふつうの間取りが、後から手を入れることによって個性的になる、というのはよく考えるとおもしろい。たぶん制約があったほうが物事はユニークになるのだ。「まず気に入る部屋であることが一番で、立地は二の次でした」。
「良いなと思うリノベ物件ってすぐ借りられてしまうので、ここは工事完了前に決めました」とおっしゃったのには少し驚いた。リノベーション完了前の状態では、内覧してもそれが良い部屋かどうかいまひとつよく分からないのではないかと思うのだが。「そこはgoodoroomなので完成図が予想できました」というKさん。
どういうことか。つまりgoodoroomのリノベーションは、良い感じにどれも「ふつう」なので、当サイトや Instagram を見れば「こういう感じになるんだろうな」と予想が付く、ということだ。ぼくはこれはすばらしいことだと思う。一見「個性的な部屋」であることと「『ふつう』の仕上げ」であることは矛盾しない。
ともあれ、お二人の部屋が素敵なのは、goodoroomのリノベの結果である以上にKさんとSさんによる設えの成果である。出窓の使い方もかわいらしいし、ソファによってやんわり空間を区切るのも巧みだ。これはこれまでの取材でも「なるほど」と思った、「元の間取りを家具レイアウトの参考にする」というあれだ。以前壁があったであろう位置にソファを持ってくることで、上手に仕切っている。リノベしたからといって以前を徹底的に無視する必要はなくて、むしろ参考にしたほうが上手くいくことが多いようだ。
ぼくがお二人の部屋で一番気に入ったのは、このソファの背後のスペース。自転車やマガジンラック、そしてカリモクのオットマンとイス。この小さな空間にお二人の個性が表れていて、なんだかとても落ち着く。
「前から、友達を部屋に呼びたいと思っていたんですけど、ここに引っ越してきてそれが叶いました。めっちゃ呼んでます」とKさん。そのために、玄関脇の部屋はゲストルームにしているという。ここも居心地が良くて、入り浸ってしまいそう。「キッチンが広くなって、友人を呼びやすくなった」とも。「前より料理をするようになりました」。
それにしてもこの部屋、見れば見るほど「ラプンツェル」が一番良い場所にいる。今調べて知ったのだが、ラプンツェルって植物の名前から来ているのだそうだ(もちろんこの部屋の植物がそれというわけではない)。さしずめお客さんはこれを「よじ登って」やってくる王子様、といったところだろうか。
(最後にもう一度編集部から)
グッドルームのオリジナルリノベーション「TOMOS」のお部屋は、東京・大阪・名古屋・福岡・札幌で、毎月10~20部屋登場します。社員も気に入って住んでいる者が多い、無垢フローリングの居心地のよい空間を体験してみてくださいね。
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大山 顕
写真と文:大山 顕
“ヤバ景” フォトグラファー / ライター。1972年11月3日生まれ。住宅都市整理公団総裁。出版、テレビ出演、イベント主催などを行う。「”ヤバ景”って何?」「”総裁”っておおげさじゃない?」など各種ご興味がわいた方は OHYAMA Ken.com にいってみてください。
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