single.php

コーヒーを愛する街オスロの文化に触れる『Fuglen Tokyo』(東京・代々木公園)

至福の一杯を求めて Vol.1

シェア
コーヒーを愛する街オスロの文化に触れる『Fuglen Tokyo』(東京・代々木公園)

コーヒー、それにお茶を楽しむ時間は、1日の中でほっと一息つける自分だけの大切なもの。もっと上手に、とっておきの一杯を楽しむために、街で人気の専門店をたずねます。
今回ご紹介するのは、代々木公園の近くにある、Fuglen Tokyo。ノルウェーオスロで愛されるFuglenの魅力をお聞きしてきました。

text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai

Fuglen 世界進出1号店が、東京、富ヶ谷に登場。

渋谷駅から井の頭通りを北上して進んだ、神山町、宇田川町、富ヶ谷のあたりは、最近「奥渋」とも言われる注目のエリア。おしゃれなセレクトショップやカフェが点在し、住みたい街としても人気です。こちらに2012年にオープンしたのが、ノルウェーオスロで愛されるコーヒーショップ、Fuglenの世界進出1号店、「Fuglen Tokyo(フグレントウキョウ)」です。

小さな一軒家をリノベーションした店舗。”Fuglen”とは、ノルウェー語で「鳥」という意味。赤い鳥のマークが目印です。

小さな一軒家をリノベーションした店舗。”Fuglen”とは、ノルウェー語で「鳥」という意味。赤い鳥のマークが目印です。

平日は朝8時(祝日は9時)から、夜はカクテルバーに姿を変えて、週末は深夜まで営業。常連さんや外国人観光客など様々な人たちが、しっとり落ち着くインテリアの店内でくつろいでいました。

平日は朝8時(祝日は9時)から、夜はカクテルバーに姿を変えて、週末は深夜まで営業。常連さんや外国人観光客など様々な人たちが、しっとり落ち着くインテリアの店内でくつろいでいました。

Fuglen は、ノルウェーオスロで1963年に誕生したカフェ。
「コーヒー、カクテル、ヴィンテージデザインの3つがテーマなんです」と教えてくれたのは、スタッフの高橋圭也さん。
ノルウェーは冬ともなれば毎日-20度の厳しい寒さが続き、日照時間も少ない土地柄。質の高いコーヒーを楽しむ土壌があったといいます。バリスタチャンピオンシップの初代チャンピオンを生み出したのもじつはノルウェー。
「オスロの Fuglen で働いていたときには、朝、昼、夕方と1日何度も通われる方もいました。あっさりフルーティーなコーヒーを何杯も飲むのがノルウェーのスタイルなんです」と高橋さん。

dsc04374

店内の食器や家具など、ノルウェーデザインのインテリアは販売もしています。

店内の食器や家具など、ノルウェーデザインのインテリアは販売もしています。

こちらはエスプレッソマシン。

こちらはエスプレッソマシン。

コーヒーと一緒にいただくパンも。スコールブローは、「スクール ブレッド」という意味。ノルウェーで愛される定番の菓子パンです。

コーヒーと一緒にいただくパンも。スコールブローは、「スクール ブレッド」という意味。ノルウェーで愛される定番の菓子パンです。

お店で淹れているのと同じ豆や、道具、それにコーヒーについてよく知ることのできる冊子なども販売。

お店で淹れているのと同じ豆や、道具、それにコーヒーについてよく知ることのできる冊子なども販売。

素材のクオリティを楽しむ、シングルオリジンコーヒー

Fuglen Tokyo で使用しているのは、すぐ近所の焙煎工場で自社焙煎した豆。ブレンドはせず、いくつかの産地からそれぞれの収穫の時期にあわせて状態のよいものを仕入れ、シングルオリジンコーヒーとして提供しています。

「農作物としてのコーヒーの素材のクオリティを大事にしています。素材の状態が100だとしたら、なるべくそれを損なうことないままカップまで届けたい。焙煎は浅くして、個性をつぶさないのが特徴です。そうすることで、豆によっての違いや、季節によっての味の違いも楽しめます。豆の持っているストーリーを伝えたい、という想いがありますね」

自宅でもコーヒーを楽しむためのポイントを高橋さんにお聞きしました。

ルーツがわかる豆をつかう

まず何よりも大切、と高橋さんが強調していたのは、素材にこだわること。
価格が高ければいい、というわけではありませんが、よい豆が安いということはあまりないといいます。Fuglen Tokyo では、100グラム1,000円前後のものを提供しています。
「どのように育てられて、どんな流通経路でやってきたのか、豆のルーツが詳しくわかるものだと、しっかりとした品質管理がなされている可能性が高いと思います」

この日、Fuglen Tokyo で提供されていた豆は2種類。左がコロンビアの農園のもの、真ん中がエチオピアのもの。右はエチオピアのものをエスプレッソ用に焙煎したもの。それぞれ、購入して自宅で楽しむこともできます。

この日、Fuglen Tokyo で提供されていた豆は2種類。左がコロンビアの農園のもの、真ん中がエチオピアのもの。右はエチオピアのものをエスプレッソ用に焙煎したもの。それぞれ、購入して自宅で楽しむこともできます。

Fuglen でコーヒー豆を購入したお客さんには、その豆がどの農園で作られ、どんなルートでやってきたものかがわかるカードもつけてもらえます。

数字を計りながら淹れる

グラインダーで挽いた豆と一緒に、高橋さんが準備し始めたのは温度計、それにスケール。Fuglen Tokyo では、どのスタッフが淹れても一定のクオリティを保てるように、豆によって「何グラムの豆に、何分で、何グラムのお湯をいれる」と正確に計っているそうです。 自宅でも、数字をしっかり計ることで安定した味が再現できるのでおすすめ。

グラインダーで挽いた豆と一緒に、高橋さんが準備し始めたのは温度計、それにスケール。Fuglen Tokyo では、どのスタッフが淹れても一定のクオリティを保てるように、豆によって「何グラムの豆に、何分で、何グラムのお湯をいれる」と正確に計っているそうです。
自宅でも、数字をしっかり計ることで安定した味が再現できるのでおすすめ。

この日、淹れてもらったエチオピアの豆は、「16グラムの豆に、250グラムのお湯を、2分30秒」。かなりゆっくりとお湯を注いでいきます。

均等にお湯がゆきわたるように

使用するのは、カリタウェーブ。フィルターが波形になっていて、コーヒーがフィルターとドリッパーの間から流れ、均一に淹れられます。「安定するので、おすすめです。自宅でも使っていますよ」と高橋さん。

使用するのは、カリタウェーブ。フィルターが波形になっていて、コーヒーがフィルターとドリッパーの間から流れ、均一に淹れられます。「安定するので、おすすめです。自宅でも使っていますよ」と高橋さん。

注ぎ始めにはスプーンでフィルター内をかきまぜ、粉をお湯で包むように。お湯は、かなり細く出し、ゆっくり時間をかけて抽出。均等にお湯がゆきわたるようにするのがコツ。

注ぎ始めにはスプーンでフィルター内をかきまぜ、粉をお湯で包むように。お湯は、かなり細く出し、ゆっくり時間をかけて抽出。均等にお湯がゆきわたるようにするのがコツ。

dsc04400
dsc04403

今回は贅沢に、その日あったコロンビアの豆とエチオピアの豆、それぞれを淹れていただきました。コロンビアの豆は甘みがあってフルーティーな味わい。エチオピアの豆は、フルーティーな中にも香りが高くちょっとハーブみたいな味わい。それぞれの豆の違いがよくわかり、高橋さんが「豆の個性が大切」とおっしゃった意味を実感。

お店には、アジアからの観光客のお客さんもたくさん。じつは今、東京は世界でも注目されているコーヒータウンなのだといいます。「注目されているロースターもたくさんあるんですよ」と高橋さんにも教えてもらいました。コーヒーを愛する街、オスロのFuglenが、最初に選んだのが東京というのも、なんだか誇らしい。オスロの文化に触れ、ここ東京でも、コーヒーのことをもっと知っていきたいと感じました。

dsc04360

Fuglen Tokyo(フグレン トウキョウ)
東京都渋谷区富ヶ谷1−16−11
03-3481-0884
営業時間: [月・火] 8:00~22:00 [水・木] 8:00~翌1:00 [金] 8:00~翌2:00 [土] 09:00~翌2:00 [日] 09:00~翌0:00
http://www.fuglen.com/

>グッドルームで渋谷区の賃貸を探す
>グッドルームで代々木公園の賃貸を探す
>グッドルームで千代田線の賃貸を探す

シェア
コーヒーを愛する街オスロの文化に触れる『Fuglen Tokyo』(東京・代々木公園)
この記事を気に入ったら
いいね!しよう
twitterで購読

関連記事

お気に入りの本屋を探そう Vol.6

時と場所で姿を変える本屋『BOOK TRUCK(表参道・東京)』

本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。 (text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai)…

お気に入りの本屋を探そう Vol.9

作家の本棚を覗く。 『双子のライオン堂(赤坂・東京)』

本も好きだけど、本屋はもっと好き。ずらりと並んだ本や雑誌の棚を眺めているだけでも刺激的だし、最近では、カフェを併設していたり、可愛い雑貨が売られていたり、面白そうなイベントを開催していたり、本屋で過ごす時間がどんどん楽しくなっている。そこで、2017年、あなたのお気に入りの本屋を見つけてみませんか。 (text : Ako Tsuchihara / photo : Kayoko Aoki)…

街で人気のボタニカルショップ Vol.5

頼りになる、街の花屋さん『ムギハナ(東京・代々木上原)』

植物をうまく暮らしに取り入れ、楽しむヒントを探しに、街で人気のボタニカルショップをたずねます。 今回ご紹介するのは、代々木上原の駅からすぐの花屋さん『ムギハナ』。センスの光るお花のチョイスやアレンジメントに、街の人々が頼りにする花屋さんでした。…

アナログの楽しみ方。 Vol.5

本棚に”自分の好きなコト”を並べたい『SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(東京・渋谷)』

本屋さんに立ち寄って、棚に並べられたいろんな雑誌の表紙を眺め、手に取る至福の時間。大好きな雑誌を手にいれ本棚に並べるときには、特別な価値があるように思います。最近では、北九州市が発行し一部の地域やお店限定で配布する雑誌「雲のうえ」にファンクラブができるなど、出版社によらず自分たちで作る雑誌「zine」も人気。「zine」の発行・販売をしているお店に、その魅力をあらためてお聞きしてみました。 (t…

アナログの楽しみ方。 #column

代々木八幡『SO BOOKS』で手に入れる”名作アナログ”

渋谷区代々木八幡、高架横の小さな路地に店を構える、写真・アート専門の古書店「SO BOOKS」。本棚に入りきらず天井まで積み上げられた古書は、1冊1冊、手に取れば作り手の想いが「もわっ」と立ち上ってきそうなほど、濃厚なものが揃う。 店主・小笠原郁夫さんに、「写真」「アート」「本」という形のなかでも特に、”アナログ”な手法で作られた名作をお聞きした。…

spacegray
main_copy
sub_copy
goodroom