東京の中心で手を伸ばした
1LDK(41.11㎡)
コーヒー、それにお茶を楽しむ時間は、1日の中でほっと一息つける自分だけの大切なもの。もっと上手に、とっておきの一杯を楽しむために、街で人気の専門店をたずねます。
今回ご紹介するのは、代々木公園の近くにある、Fuglen Tokyo。ノルウェーオスロで愛されるFuglenの魅力をお聞きしてきました。
text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai
渋谷駅から井の頭通りを北上して進んだ、神山町、宇田川町、富ヶ谷のあたりは、最近「奥渋」とも言われる注目のエリア。おしゃれなセレクトショップやカフェが点在し、住みたい街としても人気です。こちらに2012年にオープンしたのが、ノルウェーオスロで愛されるコーヒーショップ、Fuglenの世界進出1号店、「Fuglen Tokyo(フグレントウキョウ)」です。
Fuglen は、ノルウェーオスロで1963年に誕生したカフェ。
「コーヒー、カクテル、ヴィンテージデザインの3つがテーマなんです」と教えてくれたのは、スタッフの高橋圭也さん。
ノルウェーは冬ともなれば毎日-20度の厳しい寒さが続き、日照時間も少ない土地柄。質の高いコーヒーを楽しむ土壌があったといいます。バリスタチャンピオンシップの初代チャンピオンを生み出したのもじつはノルウェー。
「オスロの Fuglen で働いていたときには、朝、昼、夕方と1日何度も通われる方もいました。あっさりフルーティーなコーヒーを何杯も飲むのがノルウェーのスタイルなんです」と高橋さん。
Fuglen Tokyo で使用しているのは、すぐ近所の焙煎工場で自社焙煎した豆。ブレンドはせず、いくつかの産地からそれぞれの収穫の時期にあわせて状態のよいものを仕入れ、シングルオリジンコーヒーとして提供しています。
「農作物としてのコーヒーの素材のクオリティを大事にしています。素材の状態が100だとしたら、なるべくそれを損なうことないままカップまで届けたい。焙煎は浅くして、個性をつぶさないのが特徴です。そうすることで、豆によっての違いや、季節によっての味の違いも楽しめます。豆の持っているストーリーを伝えたい、という想いがありますね」
自宅でもコーヒーを楽しむためのポイントを高橋さんにお聞きしました。
まず何よりも大切、と高橋さんが強調していたのは、素材にこだわること。
価格が高ければいい、というわけではありませんが、よい豆が安いということはあまりないといいます。Fuglen Tokyo では、100グラム1,000円前後のものを提供しています。
「どのように育てられて、どんな流通経路でやってきたのか、豆のルーツが詳しくわかるものだと、しっかりとした品質管理がなされている可能性が高いと思います」
Fuglen でコーヒー豆を購入したお客さんには、その豆がどの農園で作られ、どんなルートでやってきたものかがわかるカードもつけてもらえます。
この日、淹れてもらったエチオピアの豆は、「16グラムの豆に、250グラムのお湯を、2分30秒」。かなりゆっくりとお湯を注いでいきます。
今回は贅沢に、その日あったコロンビアの豆とエチオピアの豆、それぞれを淹れていただきました。コロンビアの豆は甘みがあってフルーティーな味わい。エチオピアの豆は、フルーティーな中にも香りが高くちょっとハーブみたいな味わい。それぞれの豆の違いがよくわかり、高橋さんが「豆の個性が大切」とおっしゃった意味を実感。
お店には、アジアからの観光客のお客さんもたくさん。じつは今、東京は世界でも注目されているコーヒータウンなのだといいます。「注目されているロースターもたくさんあるんですよ」と高橋さんにも教えてもらいました。コーヒーを愛する街、オスロのFuglenが、最初に選んだのが東京というのも、なんだか誇らしい。オスロの文化に触れ、ここ東京でも、コーヒーのことをもっと知っていきたいと感じました。
Fuglen Tokyo(フグレン トウキョウ)
東京都渋谷区富ヶ谷1−16−11
03-3481-0884
営業時間: [月・火] 8:00~22:00 [水・木] 8:00~翌1:00 [金] 8:00~翌2:00 [土] 09:00~翌2:00 [日] 09:00~翌0:00
http://www.fuglen.com/