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本棚に”自分の好きなコト”を並べたい『SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(東京・渋谷)』

アナログの楽しみ方。 Vol.5

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本棚に”自分の好きなコト”を並べたい『SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(東京・渋谷)』

本屋さんに立ち寄って、棚に並べられたいろんな雑誌の表紙を眺め、手に取る至福の時間。大好きな雑誌を手にいれ本棚に並べるときには、特別な価値があるように思います。最近では、北九州市が発行し一部の地域やお店限定で配布する雑誌「雲のうえ」にファンクラブができるなど、出版社によらず自分たちで作る雑誌「zine」も人気。「zine」の発行・販売をしているお店に、その魅力をあらためてお聞きしてみました。
(text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai)

本棚に”自分の好きなコト”を並べたい

渋谷の東急文化村の前を通ってさらに北上すると、住宅街の中に点々と個性的な飲食店が並ぶ、「奥渋」といわれるエリアがある。ここに2008年にOPENしたのが、「SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS」通称SPBSと呼ばれる本屋さん。渋谷から文化を発信している、ちょっと個性的な本屋さんだ。

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お店をのぞくと、意外に最新刊の雑誌やコミックなど気軽に買えるものも多く、服や、衣食住にまつわるいろんな雑貨も豊富。goodroom のオフィスも渋谷にあるのだけど、仕事帰りについついふらっと立ち寄ってしまいそうな、ワクワク感がある。

「SPBSは、本のある暮らしを提案するセレクトショップ。個性的になりすぎず、あえて敷居を低くしたいと思っています」と話してくれたのは、広報の神垣誠さん。

最新刊の雑誌とともに、”冬じたく”をテーマにした雑貨のコーナーがあった。

最新刊の雑誌とともに、”冬じたく”をテーマにした雑貨のコーナーがあった。

「雑誌に載っている情報って、ちょっとした憧れ感というか、ちょっと先をゆくものが多いですよね。最近は、表紙にもすごく力が入っていて、本を読まない人でも、インテリアの中の雑貨感覚で買ったりもします。自分の好きな、興味のあることを、”モノとして存在させられる”という嬉しさがあるのかなと思いますね」

「そこで作ってそこで売る」

お店の奥には、ガラス張りの「編集部」があり、じつはこちらで、オリジナルの本の出版を行っているのだ。

「店名のとおり、そこで作って、そこで売る、がSPBSのコンセプト。”Made in Shibuya”というレーベルで、不定期にzineを刊行しています。たとえばAppleの商品にはMade in California とついていますが、カリフォルニアという土地に根付きながら全世界に発信していき、さらにそれが世界中に根付いているというのが素晴らしいな、と思っていて。渋谷から、同じように文化を発信していくという意味を込めています」

zineとは、出版社や取次を通さない自費出版の刊行物のことだ。Made in Shibuya シリーズは各号250〜400部、これまでに17冊刊行した。販売開始して1日で売り切れてしまったものもあるのだという。

FRAGMENTの藤原ヒロシさんの私物であるTシャツを撮影し、1冊ずつ手作業で製本したという、『THE TEES I HAVE WORN』。ファンの間で広まって、1日で完売してしまった。

FRAGMENTの藤原ヒロシさんの私物であるTシャツを撮影し、1冊ずつ手作業で製本したという、『THE TEES I HAVE WORN』。ファンの間で広まって、1日で完売してしまった。

好きな人が書いて、好きな人に直接届ける

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Made in Shibuya シリーズでは、渋谷に限らず、そのとき、編集部の各人が興味のあったことを自由に取り上げている。入り口近くのテーブルにまとめられた、SPBS発行以外の様々なzineにも、食、ファッション、音楽など様々なジャンルのものが並ぶ。

「zineって、テーマが自由だからなにをしてもいいんですよね。自分の欲求に忠実に、好きな人が好きなテーマで書いて、その自己満足度合いが完成度につながる。そして、それが好きな人にストレートに届くことが、zineのおもしろさかなと思います」

神垣さんおすすめの zine 4冊

#TALKINBOUTPHOTOGRAPHY Vol.1〜Vol.4
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SPBSで開催したトークイベント、「誰でも撮れて、誰でも発信できる時代の写真“論”」の内容をまとめた本。編集者の岡本仁さんが、現在活躍する写真家に公開インタビューをする。Vol.1 をひっくり返して裏からVol.2 を読む、”両A面”のつくりになっている。
http://store.shibuyabooks.co.jp/item/9780000567116.html

フランスたべきろく
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当時SPBSのご近所に住んでいたあーちんが、夏休みに遊びに行ったフランスで食べたものを絵と文章で記録。当時小学生だったと思えないほど、描かれたひとつひとつの食べ物が本当に美味しそう。
http://store.shibuyabooks.co.jp/item/9780000498779.html

麻布校刊
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麻布高校の学生が母校への想いを形にした1冊。デザインや装丁もプロ顔負けで、想いが溢れるあまり、ページ数に収めるためどんどん文字が小さく凝縮されていったというのがおもしろい。「僕の母校なので特別思い入れがあるんですが……」と紹介してくれた神垣さんだが、部外者が読んでもじつに興味深い内容に仕上がっているのはさすが。
http://store.shibuyabooks.co.jp/item/9780000568793.html

パスで朝食を。サンサでビールを。
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クリエイティブチーム301と、渋谷にあるクリエイターのための拠点Fab cafeがタッグを組んだ、「食」にまつわる新たなプロジェクト「THE OYATSU」の本。SPBSのすぐ近所だという、フレンチレストランPATHの後藤さんとビアバーsansaの橋本さんの対談がおさめられた、これも「渋谷発」の本。
https://301tokyo.stores.jp/items/57b6adfd41f8e86b8a005cb5

SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS

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東京都渋谷区神山町17-3テラス神山1F
OPEN : 月~土 12:00‐24:00/日 12:00‐22:00(不定休)
http://www.shibuyabooks.co.jp/

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