ゆらゆら、まどろみの中で見る夢は
1K(38.7㎡)
住まいやオフィス、畑、自転車、自動車など、生活に必要なさまざまなものを共有する、「シェアのある暮らし」が広がっています。
今回おじゃましたのは、関東圏にユニークなシェアハウスを多数運営する、オークハウスによる、ソーシャルレジデンス福生。元社員寮をリノベーションしたハウス内には、たくさんのおもしろい仕掛けがいっぱい。マネージャーさんにお話を聞いてきました。
text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai / 提供 : 株式会社オークハウス
米軍横田基地のお膝元、福生。アメリカンなムード漂う街並みが人気の街です。基地とは反対側には、多摩川、それに玉川上水が流れ、自然豊かな土地柄。昔ながらの酒造も多いのだとか。そんな多摩川のほとりに、元社員寮をリノベーションした大きなシェアハウス、ソーシャルレジデンス福生が誕生しました。
玄関を入ると、ちょっとヴィンテージっぽいカフェみたいな空間にワクワクします。
「ここ福生は、今までのソーシャルレジデンスの集大成みたいな施設に仕上がってるんです。設備で言えば、ここが絶対一番です」
迎えてくれたのは、「ソーシャルレジデンス福生」マネージャーの渡辺愛子さん。
ソーシャルレジデンスでは、社員のマネージャーさんが住み込みでついてくれます。既にご自身も入居開始し、オープンして間もない館内を知り尽くしている渡辺さんに、案内していただきました。
玄関奥にあるのは、電源やちょっとしたカフェスペースを備えたコワーキングスペース。まず、「ただいま」と挨拶する場所になりそうです。
緑が望める中庭には、気持ち良さそうなデッキチェアと、なにやらかっこいいバーベキュー用のガスグリル。春先から大活躍しそうですね。
羨ましいな、と思ったのは、大浴場!外を眺められるジムで汗を流して、そのまま大きなお風呂に。
完全防音の音楽スタジオも、予約制で使い放題。バンド仲間を呼んで練習するのももちろんOK。居心地の良さにそのまま入居してしまいそう。
こちらは、一日中入り浸ってしまいそうなリラックスルーム。ワンピースなどの漫画が、日本語版、英語版両方そろっているという充実っぷりにもちょっと唸りました。
ジムに、音楽スタジオに、ライブラリー。
「ここから1歩も外に出なくても、楽しめちゃうと思います」
と、渡辺さんが太鼓判を押すのもうなずけるほど、ソーシャルレジデンス福生は設備が充実しています。
「ハードが充実しているからこそ、ソフト面でも楽しめるハウスにしたいんですね」
拝島、青葉台のソーシャルレジデンスを経験し、ここが3ハウス目のマネージャー経験となる渡辺さん。じつは、自分自身も家具つきのシェアハウスを探していて、オークハウスに辿り着いたんだそうです。
「地元で営業職で働いた後、ワーキングホリデーを利用してカナダに留学していて。カナダには一年ほどいたんですが、向こうでは家具がついているシェアハウスが当たり前でした。日本に帰ってきたあとに地元から出るにあたって、シェアハウスを探していたら、たまたまマネージャーを募集していて。英語ができて、営業経験あり、という条件がぴったりだったんです」
マネージャーさんのお仕事は、ハウス内の設備やルールの整備はもちろん、シェアハウスの近隣の住民の方とのお付き合いなども含まれます。
「大変なこともあるけれど、自分自身も入居者の一人として楽しんじゃうタイプなんです。ハウス内でイベントを開催するのも仕事のひとつ。入居者さんと一緒になって、イベントを楽しんで。これも仕事なんだ!ていうのが新鮮でした」
一番天井が高く、気持ちのよい空間は、メインのダイニング&リビング。
使ってみたくなる調理器具がいっぱい……奥に見えるのはバルミューダの炊飯器です!
こちらはライブラリー。自然とコミュニケーションが生まれそうな場所が、いろんなところに設けられています。
渡辺さんが何よりも大切にしているのは、入居者さんとのコミュニケーション。
「挨拶、プラスアルファでいつも話しかけるようにしていて。話しかけてもらいやすい関係を作っておけば、あそこの設備、壊れてたよ、とか、なにかあったときに自然と報告してもらえるので」
最低、月に1回は開くというイベントも、自然と人が集まる重要なきっかけのひとつ。クリスマスパーティーや餅つきパーティーなど、季節ごとに開催します。
一番大きなものは、夏に福生からも近い秋川で開催される、 ハウスを超えて入居者さんが集まるサマーキャンプのイベント。朝早く、8時ごろから集合し、河原遊びにバーベキュー、ビンゴ大会などを楽しみます。去年は200人ほどが集まったとか。
「朝早いんですけど、そのぐらい早く集まらないと、遊びきれないんですよね」
自然豊かな福生。ソーシャルレジデンスの裏手はすぐ玉川上水。橋を渡ってゆけば1分でたどり着くという「かに坂公園」では、夏にはロックフェスが開かれます。
164部屋、すべてが個室で、とっても日当たりがいい!壁紙などのデザインも十数種類のパターンの中から選べます(ベッド、ソファ、サイドテーブル、冷蔵庫が備え付け。テレビなどはモデルルーム備品です)
仕事のやりがいは、ここに住んでよかった、と言ってもらえるとき。
お世辞じゃなく、楽しい、と思ってくれているのが表情からも伝わってくると、とても嬉しい、と渡辺さん。中には、渡辺さんが福生に移ることになって、一緒に引越しを決めた入居者さんもいます。女性の入居者さんの中には、内覧しにきて渡辺さんが住み込みでついてくれることを知って、ほっとした表情を浮かべる方も多いのだとか。
たしかに、何かあったとき頼りになる、ただの友達とはちょっと違う、マネージャーさんという存在はとても大きいものがあります。ソーシャルレジデンス福生は、ちょっと引っ込み思案な人にこそおすすめしたい、シェアハウスかもしれない、と思いました。
「もちろん、単純に住む環境があればいい、という方も多いですし、そういうつもりで来ても、おもしろくなっちゃってイベント楽しんじゃう、というひともいます。みんなと話したいときは降りてくれば誰かいるし、静かに過ごしたいときは個室で。そういう住み分けができるのも、大きなハウスならでは。
風邪をひいていると気にかけてくれる人がいたり、夕飯を作らなくても誰かが作ってくれたり。私自身も、家に人がいないというのはもう、違和感がありますね」
いろんな国籍のひとや、いろんな職業のひと。職場や、学校のコミュニティーとは全然違う、今まで出会ったことがない、様々な経歴の人と出会えるシェアハウス。その中で、入居者さん同士のコミュニケーションが自然に生まれるようにアシストしてくれる、マネージャーさんがいる。
新しい環境や、新しい生活に、ちょっとだけ不安があるひとも、たくさんの充実した設備、それにイベントを楽しんでいるうちに、いつのまにかすっかり「住人」のひとりになっている。ソーシャルレジデンス福生は、そんな場所になりそうな気がします。