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「あせらずやっていこう」 世田谷区 豪徳寺  

こんな町に住みたいんだ。 Vol.18

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「あせらずやっていこう」 世田谷区 豪徳寺  

町歩き愛好家が本当に住みたい町をジワジワと紹介していきます。第18回目に取り上げるのは世田谷区の豪徳寺。便利なのに落ち着いていて、しかもいいお店がいっぱいなこの町で、新しい暮らしをはじめてみませんか?

text : 渡辺平日

こんにちは、日用品&町歩き愛好家の渡辺平日です。この連載では、個人的に好きな町や住みたい町を、商店街を中心にじっくりと這うように案内しています。

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今回は世田谷区の豪徳寺(ごうとくじ)エリアをぶらぶらと散策してきました。

この界隈でもっとも有名なのは、駅名の由来にもなっている「豪徳寺」でしょう。「招き猫発祥の地」のひとつとされるお寺でして、境内には招き猫が数えきれないほど祀られています(よく取り上げられますし、雑誌やテレビで見かけたことがあるかもしれませんね)。

この不思議な光景をめあてに、国内外から多数の観光客が訪れています。

この不思議な光景をめあてに、国内外から多数の観光客が訪れています。

かくいう僕も招き猫を一目見ようと遊びにきたことがあります。豪徳寺を満喫したあと、せっかくだからと町を散歩したらこれがとっても住みやすそうで……。「観光地」としても魅力的ですが、「暮らす町」としても素敵だなと感じました。そこで今回は、豪徳寺エリアの商店街にスポットを当てつつ、じっくりとその魅力に迫りたいと思います。

 

ふたつの路線が使えて、とっても便利

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豪徳寺駅には小田急電鉄小田原線が乗り入れていて、ターミナルステーションの新宿駅までは約15分。いちどそこまで出ればどこに向かうのにも便利です。また、「住みたい街」ランキング常連の下北沢駅まではわずか4分程度。休日はもちろん、仕事帰りにもフラッと立ち寄れそうです。

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すぐ近所に山下駅があるのもポイント。地図を見ていただければ分かるように、ほぼ同じ駅といっても差し支えない近さです。山下駅には東急世田谷線が乗り入れていて、松陰神社前や下高井戸、そして三軒茶屋など、人気のエリアへ気軽に遊びへ行けます。

「駅が2つあってもけっきょく片方しか使わない」なんてこともありますが、どっちかの路線が遅延したり運休した場合など、いざというときに助かるかもしれません。

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駅周辺には飲食店がしっかりと揃っています。個人的にはですね、24時間のファミレス(しかもデニーズ!)があるのがうれしいなと思いました。仕事で帰りが遅くなった日とか、逆に朝早くに出かける日とかは助かりそうです。

 

ゆっくりとお買い物を楽しんで。「山下商店街」へ

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それでは町歩きスタートです。まずは豪徳寺駅から北側にある山下商店街へ。1951年に発足した通りで、地域住民から愛される老舗から、さいきん話題のセレクトショップまで、さまざまな店舗が軒を並べています。

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商店街の入口にはコンビニやドラッグストア、クリーニング店などなど、便利なお店が集結しています。

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和菓子店と銀行。この組み合わせを見るのははじめてな気がします。

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ちょっと歩いたところに「まいばすけっと」があります。このあたりは大きめのスーパーが少ないので、もし住むとしたら「まいばす」にはお世話になりそう。

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約200種類(!)の自家製ハム&ソーセージを取り扱う「富永デリカデッセン」。もとは一般的な精肉店だったそうですが、あるとき試しにとはじめたソーセージが評判となり、現在にいたるそうです。名物のヴァイスヴルスト(白色のソーセージ)はぜひいちど食べていただきたい……!

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その近くにはおしゃれな店舗が並んだ一角が。どのお店も素敵ですが、今日はまんなかの和食器専門店におじゃましました。

隠しテーマは「楽しく晩酌」。「うつわのわ田」で食器探し

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2年前にオープンしたうつわのわ田。20代から80代まで、幅広い世代のお客様が器を求めて来店されるそうです。「このまえは19歳のお客様がお見えになって。いろいろとお話できて、とてもうれしかったです」とオーナーの和田さん。

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全国の窯元からやってきた器たちが気持ちよさそうに並んでいます。作品をディスプレイするための什器(机やかごなど)にもこだわりを感じますね。

西日本(小鹿田焼や有田焼、砥部焼など)の作品が数多く取り揃えられていて、とりわけ沖縄(やむちんや琉球ガラス)の器の充実具合には目をみはるものがあります。「私はお酒が大好きで……。どうしても、日本酒の器やおつまみを載せる小皿など、お酒を味わうための作品が多くなりますね。実は、お店の隠しテーマは『晩酌』なんです」。

西日本(小鹿田焼や有田焼、砥部焼など)の作品が数多く取り揃えられていて、とりわけ沖縄(やむちんや琉球ガラス)の器の充実具合には目をみはるものがあります。「私はお酒が大好きで……。どうしても、日本酒の器やおつまみを載せる小皿など、お酒を味わうための作品が多くなりますね。実は、お店の隠しテーマは『晩酌』なんです」。

長く世田谷線沿線に住んでいるという和田さん。豪徳寺のいいところをうかがったところ、「都心に近くて便利なのに、雰囲気が落ち着いているのがいいですね。おしゃれなお店やおいしいお店も多いのも魅力です」と教えてくれました。「急行が停まらないのが逆にいいのかもしれませんね。まわりにそこまで影響を受けず、独自の文化が育っているように感じます」

うーん、話を聞いていたらますます暮らしたくなってきました。このあたりに住むことになったら、この店に足繁く通って器を揃えたいなあ……。

 

緑道を歩き、花を愛で、カレーに感動

たっぷりとお喋りしたせいか、すっかりお腹が空いてきました。そういえば前に友人が「山下駅の近くにおいしいカレーショップがある」と言っていたな。ちょっくら探してみましょう。

せっかくなので緑道を歩こうかな。

せっかくなので緑道を歩こうかな。

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季節の花々が咲き誇っていました。すっかり春ですねえ。

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「WOHOS MART」というカレーショップを発見。ここかな?

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木の子とチーズのカレー! いいですね。カキ山椒も捨てがたいけど、今日はこっちにしよう。

こんにちは~。おお、内装もカッコいい。何年くらいやられてるんですか。 え、去年の8月から? できたばっかりのお店なんですね。

こんにちは~。おお、内装もカッコいい。何年くらいやられてるんですか。 え、去年の8月から? できたばっかりのお店なんですね。

オーナーの織田さんと談笑しつつ待つこと数分。木の子とチーズのカレーができあがりました。これはおいしそう……!

オーナーの織田さんと談笑しつつ待つこと数分。木の子とチーズのカレーができあがりました。これはおいしそう!

これがちょっとシミジミしてしまうぐらいおいしかったです。話が長くなりますが……。僕は日本生まれ日本育ちなので、やっぱり味噌や醤油の味に懐かしさを感じます。一方、本格的なスパイスが僕の人生に登場するのは大学生になってからで、その歴史はせいぜい10年といったところでしょうか。そういうこともあって、これまで香辛料に「懐かしさ」を抱いたことは一度もなかったのですが、このカレーはなんだか懐かしい味がして……。なんというか、とても不思議な経験でした。スパイスの奥深さを垣間見たような気分です。

これがちょっとシミジミしてしまうぐらいおいしかったです。話が長くなりますが……。僕は日本生まれ日本育ちなので、やっぱり味噌や醤油の味に懐かしさを感じます。一方、本格的なスパイスが僕の人生に登場するのは大学生になってからで、その歴史はせいぜい10年といったところでしょうか。そういうこともあって、これまで香辛料に「懐かしさ」を抱いたことは一度もなかったのですが、このカレーはなんだか懐かしい味がして……。なんというか、とても不思議な経験でした。スパイスの奥深さを垣間見たような気分です。

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おっ、アルコールメニューも多いですね。近いうちにゆっくり飲みにこようかな。

 

個性的なお店が続々。「豪徳寺商店街」へ

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ではでは。次は駅の南側にある豪徳寺商店街を散策しましょう。買い物と食事で時間を使いすぎたので急がないと……。

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駅のすぐ近くに「パルケ」というスーパーがあります。豪徳寺で暮らす友人曰く、「このあたりで住むならぜったいにお世話になる」。ところでこのパルケは「世田谷区若林」とか「川崎市久地」とか「横浜市反町」とか、展開しているエリアが絶妙に渋いんですよね。どんな出店計画なのかが個人的に気になっています。

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70年以上の歴史を持つ「鶴湯」。2012年に大規模な改修を行っていて清潔感は抜群。露天風呂があるのもうれしいし、シャンプーとボディーソープが備え付けなのもグッドですね。このまえ行ったときはおじいちゃんが演歌を歌ってて……。近くを走る電車の音もあいまって、なんだか昭和にタイムスリップしたかのような風情を感じました。

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気になっている「ホームショップ うわぼ」。規模感がけっこうおもしろくて、大きめの金物屋、小さめのホームセンターといったところでしょうか。今回は豪徳寺を取材する時間がなくなるので我慢しました。

ここも気になってるんですよねえ。日用品愛好家の血が騒ぎます。

ここも気になってるんですよねえ。日用品愛好家の血が騒ぎます。

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そうそう、この焼き芋専門店も行ってみたかったんですよ。

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おっ、どの商店街にも必ずひとつはある休憩所だ。すこしヒマを潰したいけど、お店に入るほどではないときとかに便利なんですよね。ちょっと休憩していこうかな……。

あっ、豪徳寺に行くんでしたね。

あっ、豪徳寺に行くんでしたね。

んん、あれは?

んん、あれは?

大きい猫のぬいぐるみが招き猫をかかえて日向ぼっこしていました。気持ちよさそう。

大きい猫のぬいぐるみが招き猫をかかえて日向ぼっこしていました。気持ちよさそう。

 

猫に招かれ……。

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いろいろな誘惑を断ち切り、豪徳寺にやってきました。さすがは井伊家の菩提寺なだけあり、実に格式高い造りですね。さて、この御寺には三重塔や井伊直弼の墓所など、重要な建物や史跡が数多くありますが……

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なんといっても有名なのは招き猫でしょう。雑誌やテレビはもちろん、SNSやブログなどでも盛んに取り上げられ、海外での知名度も飛躍的にアップ。Fortune cat(招き猫)の聖地として広く知られるようになりました。なぜ招き猫が祀られるようになったかというと……いや、せっかくですし、ぜひ現地を訪れて調べてみてください。由来などを詳しく解説した看板や石碑がたくさんあって、読んでいるだけでもおもしろいですよ(個人的な感想ですが、豪徳寺の歴史を知ったおかげで、日本史で「悪役」にされがちなあの偉人のイメージが大きく変わりました。こういう学びってほんとう楽しいですね)。

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それにしても、いったい何匹いるのでしょうか……?  (豪徳寺の招き猫は1月に奉納されます。僕が訪れた3月の中頃。つまり、これでもぜんぜん少ないほうなんですね)

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招き猫は寺務所で購入可能です。まずはいちばん小さいサイズから揃えてみてはいかがでしょうか。ちなみに、インテリアコーディネート的観点でいうと、豪徳寺の招き猫は小判を持っていないのでお部屋に飾りやすいです。

このあたりで日が暮れてきたので町歩き終了。続いてはお楽しみのお部屋紹介コーナーです! ……と言いたいところでしたが、あいにくなことに取材済みのお部屋がすべて満室でした。もし豪徳寺でのお部屋探しを希望される方は、アプリから気軽にお問い合わせくださいね。

 

さいごに

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というわけで豪徳寺をゆっくりと散歩しました。まえに紹介した祖師ヶ谷大蔵でも感じたのですが、やっぱりこのエリアは「ふるさとあたらしさ」のバランスがちょうどいいんですよね。この町なら、あせらずのんびりと暮らせそうだなあ。

ちょっとでも気になったら、まずは引っ越すとかは特に考えず、フラッと招き猫に会いにいくのはどうでしょうか? それからおいしいカレーを食べたり、すてきな器を眺めたり、緑道を散歩したりして……(そうこうしているうちに、すっかり豪徳寺が気に入ってしまうかもしれないですね)。

それでは今回はこのあたりで。次の住みたい町でお会いしましょう。

 

渡辺

渡辺平日

渡辺平日

日用品愛好者。常に異常な物欲と戦っています。町歩きやお部屋探しも好きで、ふと気がついたらグッドルームの取材ライターになっていました。主な寄稿先は「LaLa Begin」「北欧、暮らしの道具店」「PERFECT DAY」など。

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