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実家暮らしだった私が、全国を旅しながら働き、暮らせるようになった理由

これからの賃貸暮らし Vol.23

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実家暮らしだった私が、全国を旅しながら働き、暮らせるようになった理由

フリーランスエンジニアとして独立しながら、You Tubeやブログの配信などを行い、生計を立てているしょーごさん。パートナーと二人で全国津々浦々巡りながら、ホテル暮らしを楽しんでいらっしゃいます。そんなしょーごさんに、独立して働けるようになるまでのこと、二人でホテル暮らしをする上で大切にしていることなどについて伺いました。

text : ASAKO SAKURAI

<プロフィール>

30歳男性/エンジニア/Webページ制作などの案件を受注しながら、Youtuber・ブロガーとして活動/パートナーと二人でホテル暮らしをしながら全国を転々としている

新卒で入社した会社を1ヶ月で退職。自分に合った暮らしかたを追い求めた

ー二人でホテル暮らしをされている方にお話を伺うのは初めてなので楽しみです!さて、まずはしょーごさんご自身が、ホテル暮らしを始めたきっかけについて教えてください

卒業旅行でカンボジアに行ったときに「ああ、こういうところにフラッと来られるような働きかたがしたいなあ」と思ったことがきっかけです。

同じころ、東南アジアでノマドワーカーとして活動しているインフルエンサーの方のツイートも見てしまって(笑)。ずっと地元の山形県から離れたことはなかったのですが、気持ちが180度変わってしまったんです。

学生時代のしょーごさん。元は飛行機にもほとんど乗ったことがないほど、海外は無縁だと考えていた性格だったのだとか。(写真右がしょーごさん/引用元

ですが当時、地元の銀行に内定をいただいていました。今さらやっぱり辞める、とは言い出せず、他にお金を稼ぐ手段も分からなかったので、とりあえず就職。けれど本当にやりたい暮らしを実現するためには、銀行は最適な働きかたではないと思い、1ヶ月で辞めてしまったんです。

ー1ヶ月で!その後はどのようにして現在のような生活ができるようになったのでしょう

まず完全フルリモートで働けるようにするために、Webを駆使して手に職をつけることを考えました。そこで山形にいながら、エンジニアになるためのオンラインスクールに2ヶ月間通い、独立。その後は自分で営業活動をして、安定した収入を得られるようになりました。

数年経ってコロナも落ち着いたころに、いよいよマンスリーマンションを使って転々としながら暮らそう!と調べていたときに、サブスくらしの存在を知りました。

フリーランスで物件を契約するのは審査が厳しいと聞いていたので、ちょうど良いなあと。

そして1年ほど前に実家を出て、パートナーと二人でホテル暮らしをスタートさせたんです。

二人が大切にしているのは金銭感覚のすり合わせと、異なる生活リズムに干渉しないこと

ーパートナーの方も、場所にとらわれずに仕事ができるんですね

そうですね、彼女もフリーランスのデザイナー兼、エンジニア。業界が近いので話も合うし、いつも二人で仕事をしています。

元はSNSを通じて知り合った仲でしたが、お互いに価値観が近いことは分かっていました。だから二人で全国を転々としながらホテル暮らしを始めることも、まったく違和感はありませんでしたね。

ノマドワーカーの間では人気のホテル「アンテルーム那覇」がサブスくらしで宿泊できると知って、思わず予約。2月の寒い季節に、あえて暖かな沖縄へ。

ー現在、二人でどんな暮らしかたをしているんですか

1ヶ月単位で場所を変えて、全国幅広く泊まりたいホテルに泊まる暮らしをしています。例えば寒い時期には暖かさを求めて沖縄へ、暑い季節は涼を求めて北海道へ。都内は人が多いのであまりおらず、ほとんど東京以外のエリアが多いですね。

ー同棲がいきなりホテル暮らしということですが、二人で生活をしていく上で気をつけていることなどはありますか

二つあります。一つは、お金周りのことはオープンに話し合うこと。

例えばホテルに1ヶ月あたりかけられるお金はいくらか、そのために日々の食費をいくらを上限とするかなど。平日のランチは最大1,000円、夕食は1,500円と決めているので、必然的にサイゼリヤにお世話になる割合が増えました(笑)。

例えばある1ヶ月の、私個人の支出は以下のような感じでした。

+++

しょーごさんのとある1ヶ月の支出

・ホテル代(サブスくらし固定費含む):12.2万円
・飲食代(平日・休日すべて):約10万円
・各地での体験代(観光など):0.5万円
・移動費:3.2万円
・作業場所代(コワーキングスペース利用料など):0.4万円
・サブスくらし以外で利用したホテル代:3.4万円
・その他:1万円

計:30.7万円

+++

ただ常に切り詰めて生活しているわけではなく、誕生月には贅沢なホテルにご褒美ステイをする、週末はお酒を飲みながらちょっといいお店で食事をするなど、メリハリをつけています。

ホテルメトロポリタン鎌倉では、ラウンジスペースが利用し放題。他のホテルでは月額いくらか払えば、ドリンクが飲み放題のスぺースもあったのだとか。心地よく働く場所もセットで、ホテル選びをしているのだそう。

二つ目は、お互いの生活リズムの違いに、過度に干渉しないこと。

私たちでいうと、私は朝型なのですが彼女は夜型。私は早めに寝るので、遅くまで仕事を続けたい彼女には、夜はコワーキング施設やホテルのラウンジで作業するなど、気を遣ってもらっています。

その分私が早く起きるので、彼女を起こさないように注意しながら、同じく仕事は外でするようにしていますね。

ー二人でホテル暮らしをしているからこそ、良かったことはありますか

頻繁に二人で近所を散歩しているのですが、常に新しい街を散策することで刺激がありますし、話しながら新しい企画のアイデアなどが生まれてくるので、とても大切な時間です。

私たちは転々と暮らしながら、いつか二人で腰を落ち着けて住むならどこがいいか?という視点を持ち、滞在しています。

すると観光目的の短期滞在では決して気付けないようなことが、長期滞在だと見えてくるので面白いです。例えば物価の高さや、日中・夜それぞれの人の多さなど。

ほとんど離れている時間はないのですが、互いに高めあえる関係が築けているのでありがたいですね。

平日の空いている時間に観光に来られるのも、住んでいるからこそ。

受注案件と個人活動の2本柱。場所にしばられない仕事ができるようになるまで

ーしょーごさんは現在、どのような収入源をお持ちなのでしょうか

企業のホームページ制作やシステム開発を受注する仕事と、そこで培ったノウハウなどをYou Tubeやブログで配信して、広告収入を得る仕事の二本柱で働いています。

収入の割合は、受注案件と個人活動で半々くらい。最近はホテルの価格も上がってきているので、収入をいかに上げてこの暮らしを続けていけるかが、モチベーションの一つになっているんです。

時には月々の予算を上げて、ご褒美ステイも。写真はホテルメトロポリタン鎌倉の室内。

ー今のような安定した収入を得るために、どんな過程があったのでしょう

まず実家に住みながら、オンラインのプログラミングスクールに2ヶ月間通った後、スクールでの実績をもとに、100社以上にメールなどで営業活動をしました。

初めはあまり実績が少ないことを言い出せずお仕事をいただいていたので、プレッシャーは相当なものでした。それでも一つずつの案件に丁寧に向き合い、少しずつ実績を積むことができました。

結果的に良い会社さんと巡り合えて、現在まで安定して仕事をいただけているような状況です。

ーエンジニアという職業が肌に合って、よかったですね

プログラミングは性に合っていましたね。続ける目的が「お金」だけだと、辞めていく人が多い職種のような気がします。

私はコードをかいていること自体が心から楽しいと思えて、それが今でも変わらないことが、エンジニアを続けられているポイントなのかな、と思いますね。 

ホテル選びで欠かせないのは、二人がフルリモートで働ける環境を確保すること

ー続いてホテル暮らしをする上で欠かせないものについて教えてください

まず環境面においては、Wi-Fi環境が整っているホテルか、二人分の働くスペースがあるか、そしてツインで20㎡以上のお部屋があるか、という条件を満たす場所を探しています。

Wi-Fiについては事前にネットの口コミで「ホテル名+Wi-Fi」で検索します。問題なければ口コミに上がってこないので、そこでフィルタをかけるんです。

また室内に二人が働けるスペースがあるかも重要です。

1人分のデスクしかない場合には、即席デスクをつくるのだそう。視線が落ちて肩が凝らないよう、パソコンの画面を上げたり、使いやすいキーボードを取り付けたり。さまざまな工夫をしていらっしゃいます。

ただ両方叶えることが難しい場合もあります。そのときはホテルのラウンジの有無や、近隣にマンスリー単位で借りられるコワーキング施設があるかなどを事前に確認するようにしています。

ーお二人はどのくらいの量の荷物を、どんなバッグに入れて移動しているんですか

私はパソコンなどのガジェット系を持ち歩くための「ガジェバッグ」と、衣類や化粧水などを入れる少し大きめのリュックの二つ。これに収まる量だけにするよう、心がけています。

左がガジェット類を入れる、ガジェバッグ。右が衣類などを入れる、一般的なサイズのリュック。
衣類関連は、こうした圧縮袋に入れてコンパクトに。ファスナーの力で圧縮する、シンプルな構造で人気のアイテムです。

どうしても読みたい本は買いますが、読んだら荷物にしたくないので、すぐにメルカリに出品します。

一方彼女は、洋服が好きで減らしたくないとのことで、とても荷物が多いんです。なので移動時にはいつもスーツケースは郵送しています。

さらにお互いの実家のサポートを受けながら、うまく荷物の管理をしている状況です。

ー全国を移動するとなると、移動費がかなりかかりそうですね

移動費は新幹線や飛行機なども活用するので、けっこうかかりますね。

飛行機に関しては元々LCC派だったのですが、手荷物を預ける度に追加料金がかかったりするので、最近の国内移動はANAを活用して、マイルを貯めるようにしています。

信頼を積んだ後に独立、でも遅くない

ーしょーごさんのような生活に憧れを持っている方は多いと思います。そのような方に向けて、最後に一言あればお願いします

観光地の近くに暮らして、フラッと名所を見に行けたり、人がいなくなった夜の観光地を楽しんだりするなど、普通ではできないことができる今の生活にとても満足しています。

とはいえ私のようになんの後ろ盾もなく、会社をいきなり辞めるというのはあまりにリスクが大きいので、おすすめしません(笑)。

なのでまずはWeb系の会社に就職して、実績や信頼を積み、それからフリーランスとして独立するのでも遅くはないと思います。

私も初めはストレスが多く、緊張感の絶えない仕事が続きました。でも失敗の数だけ人は輝くという言葉を信じ、何事にも飛び込んでいった結果で今があります。

私の周りにもこうした生活をしたいけれど、自分でホテルを予約するしかないと思っている人って意外と多いので、サブスくらしがあることを、より多くの方に知っていただけたら嬉しいですね。自分で予約するより手間も省けるから効率的だし、なによりお得です。

そうしてたくさんの事例が集まり、私も参考にさせてもらえたら嬉しいです。

しょーごさんのノウハウがたっぷり詰まったブログはこちら

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三宅

 

櫻井朝子

三宅朝子

goodroom journal 編集部所属。ライター、バーのママなど、いろんなことをしています。行ったことのない街に降り立つととにかく興奮する、街歩き大好き人間。センスがないのでおしゃれなインテリア、お部屋に興味津々。趣味は読書、刺繍、季節の手仕事など。詳しいプロフィールはこちら

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